金田一春彦ことばの学校

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活動内容
ことばの学校年一回開始あ
ことば塾
 

第四回 ことばの学校

日  時 平成15年11月24日㈰午後1時
会  場 泉郷プラザフォレオ

  • 高根分校…北甲斐亭
  • 長坂分校…三分一湧水館
  • 大泉分校…泉郷マザーアースゲストハウス
  • 小淵沢分校…高福寺 

参加人員 約250名

 
金田一春彦ことばの学校 第四回

 
 

秋も深まり、朝夕に初冬の風情を漂わせるこの日は、
勤労感謝の振替え休日。
風も 穏やかで八ヶ岳日和といった趣の日。
歴史と文化を支えて今に続いてきた方言に親 しみ、
地域文化の魅力を楽しむ交わりの場が繰り広げられた。
今回は「泉郷プラザ フォレオ」を本校として、
4つの分校会場を設け、内容ゆたかな展開をみせた。

 
 
 



■1 開校式挨拶    金田一真澄

  •  体調をくずされ大事をとり欠席の春彦先生に代わり、長男金田一真澄氏が挨拶。山麓の自然に触れ地元の人々に愛されてきた40年余を、懐かしいエピソードを交えてご家族の中の春彦氏について語った。
  •  また自身の大学講義から、「ことばが人を人たらしめる力をもっているということを覚えて、ことばをより生き生きと洗練させ、自身の思考、認識をさらに豊かにできたらよい。たとえばそこにことばの学校の川柳があるのではないか。人間生活を豊かにすることにつながるものと思います。」と語った。会場は聴衆の熱気でつつまれ、ことばの学校がいよいよスタートした。

 


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■2 記念講演「感受性の散歩…ことば拾い」   落合恵子

  •  「カナダ国境に近いメイン州の少女シャーロット・アルデブロンさんが、町の教会で行われた平和集会で発表した。その非戦メッセージや平和への願いを込めた歌詞から、彼女の申し立ての言葉が社会を開く鍵となったと私は思いました。これからは一度立ち止まることの大切さに焦点をあてていきたい。少女の示したメッセージは世界の人々に意味をもって発せられた。その大切さが来る21世紀をひらく鍵となるのではないか。ことばを通してつながりができ、つながりができてことばに意味が生れるのだと私たちは知る。どこの国の言葉も制圧してはいけない。切に平等に存在する地球でありたい。」と結んだ。
  •  落合恵子さんは全国を飛び回りながらさわやかな提言や、ヒントのことばを指示しておられる。それは聴衆の皆さんもよく知っていることなので、ことばの一つ一つに大きくうなずく姿も見受けられた。また印象的だったのは、お話の後半、ソウルミュージックをBGMとして使って、響かせていたことだった。

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■3 高根分校   会場:北甲斐亭

  •  まず始めは宮沢賢治が作詞作曲した「星めぐりの歌」を朗読の会ななつぼしの皆さんで合唱。続いて絵本作家の黒井健さんと、清里で「萌木の村」代表船木上次さんが、作品企画から完成までの苦労が、分野は違ってもそれぞれ同じであることなどを対談。
  •  そしてエッセイストの武田秀夫さんが、「天から堕ちた子供」というタイトルで、宮沢賢治の知られざる素顔を講演。最後に全員で「雨ニモマケズ」を朗読し、永遠の詩人宮沢賢治の世界にひたることができた。24〕


■4 長坂分校   会場:三分一湧水館

  •  会場は先月オープンしたばかり。南アルプスや富士山などを見渡すことのできる会場に三々五々人たちが集まり、久々の活動写真の語りに耳を傾けた。年を召した方には懐かしく、また若い人たちにとっては初めて聞く活弁。貴重な無声映画を、女性として現在一人しかいない活弁士、澤登 翠さんの話芸とあわせて楽しんだ。出し物は長谷川伸原作、「番場の忠太郎瞼の母」日本人の心に沁みる感動世界を味わうことができた。

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■5 大泉分校   会場:泉郷 マザーアースゲストハウス

  • 横山幸子さん
  • 方言むかしばなし「八ヶ岳からの贈り物」というテーマで、日本列島に散在する色とりどりの風
  • 土生活場面をジェスチャー交え、声色も緩急とりまぜて熱演。聴衆も次第に反応して熱気をおびた会場となった。「山の背比べ」他を皆で満喫した。東京生まれの東京育ちの横山さん。現在、福島県染川町を拠点にして活動を続けている。
  • 津野武嗣さん
  •  続いてヴォイス・トレーナーの津野武嗣さんが声の出し方について特訓。おへその下にある丹田に力を入れて声を出す。すると互いに張ったロープの振動が目に見えて伝わってくる。腹式呼吸の発声を聴衆一人一人に指導。最初は尻込みしていた参加者も大声で発声練習に取り組んでいた。

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■6 小淵沢分校   会場:高福寺

  • 明野村出身の山梨放送アナウンサー、大柴堅志さんは、ことばの学校の司会者としても何度もお世話になっている方。集う聴衆とともにあぐら座になって、方言を話し普段使うことで豊かな地域のことばとなり、光ることばとして磨かれると説く。次いで自ら携わっている、お国ことばで語る民話の番組を紹介し、地元の古老や、聴衆の皆さんとの甲州弁のやりとりを通して、持論に及んだ。盛り上がりをみせた会場には高校生の姿もあり、当地における幅広い関心の様子を思わせた。
  •  会場を移し、地元産の食材でつくられた手打ちほうとうが振舞われた。互いになつかしい面々もちらほら。話しもはずみいっそう賑わしい場となった。

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